行動経済学「人は含み損を抱えてしまう習性」に打ち勝て!損切りだ!

少し強めのタイトルになってしまいましたが、私の本心ですので、ご容赦下さい。

今回は、分かっていても、つい含み損を作ってしまう人の習性について、行動経済学の観点からのお話です。

ここで説明する人の習性を知ることで、含み損を抱えないように今後の株式投資の参考にして頂ければ嬉しい限りです。

こんな内容を書いています。

  1. 儲けの喜びよりも損失の不満の方が大きい
  2. 自分が保有している物は価値が高いと思う
  3. 損失を確定したくない性質がある
  4. 不利な状況から回復した時の印象が強く残る

人は「損失回避」をする

当然のお話ですが、人は損失を回避することに躍起になります。

行動経済学では、人は「損失回避」の意思決定は、ごく自然に行っており、同じ金額を「儲けた時の喜び」よりも「損をした時の不満」の方が大きいことが明らかにされています。

人はプラス面よりもマイナス面の方により敏感なのです。

儲けの喜び < 損失の不満

株式投資に当てはめると、含み損は損失のダメージの方が大きいため、含み益がある株を売ることが出来ても、含み損のある株を売ることにはためらいが生じ塩漬け株ができるのです。

後悔という感情を避けたいがために、儲けを平気でふいにしてしまうこともあるのです。

人には「保有効果」がある

自分が保有している物に対する執着心です。

当ブログのテーマの株の他には、地位や権利、自分の意見なども「保有効果」に含まれます。

例えば、メルカリで自分の所有物を売却しようとする時は、少しでも高く売りたいと思う気持ちも「保有効果」にあたります。

株式投資では、保有している株は「保有効果」によって、含み損が発生しても中々、損切りできなくなるのです。

人には「現状維持バイアス」がある

例えば、勤め先に対して多少の不満があっても我慢してそこにとどまる行為は変化を避ける「現状維持バイアス」が働くからです。

株式投資では、含み損が発生している時に、これを避けたいと考える一方で、損失を確定したくないという気持ちの「現状維持バイアス」がかかってなかなか損切りが出来ないのです。

「認知的不協和」となるため損切りが出来ない

株式投資で、特定の銘柄を買う時に、この先に株価が上がるだろう判断した根拠、材料があると思います。

しかし、意に反して株が下落しても、株が上がると判断した根拠や材料があるため、これを正当化しようという心が働きます。

この時、自分は株価が上がるだろうと判断し買った意思決定について、間違ってなかったという気持ちが強くなる傾向があります。

株価は下がり続けている「認知的不協和」の中で、無意識のうちに一貫性を貫こうと心が働きます。

そして、損をする自分を認めたくないという心理になり、含み損を抱えてしまうのです。

「ブレークイーブン効果」バイアスには注意

ブレークイーブン効果とは、例えば長い間塩漬けになっていた株が値を戻して含み益に変わった場合、別に買った株が含み損になることなく上がった時よりも満足度が高くなるというバイアスです。

この「ブレークイーブン効果」を一度体験すると、次も同様に株が下がったときに損切りせずに切り抜けられると考えてしまう危険性があれます。

この辺りは最も注意しなければならない点です。

まとめ

株式投資において、行動経済学を知っておくことは非常に大切だと思います。

人は、「損失回避」、「保有効果」、「現状維持バイアス」、「認知的不協和」などが働き、株価が下がり含み損を抱えると冷静な判断ができなくなるのです。

つい、下がった株のナンピン買いをしたくなるのも、以上の行動経済学で説明がつきます。

そうなのです、人は元々「損切り」が出来ない習性を持っているのです。

自分の思うがままに株式投資をしていたら、必ず含み損を抱えてしまう訳です。

私の体験からも「損切り」が出来ない人は、株式投資を続けることは難しいと感じています。

行動経済学の観点から見た、この「心理や習性に打ち勝ってこそ、株式市場での成功」があると信じています。

株式投資において、含み損は持ち越さず、最初描いたシナリオと違ったら早めの損切をすることです。

株式市場から退場を突き付けられないようお互いに注意しましょう。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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