ここ数年、特に若い世代で個別株投資や投資信託などの資産運用を始める人が増えています。
その追い風となっているのがスマホ証券、登録から金融商品の売買まで全てが完結する優れものです。
最近、自分の投資スタイル別に複数のスマホ証券に口座を開設しました。
その中でSBIネオモバイル証券が運営している「ネオモバ」についてデメリットを解説します。
「口座開設手続き」や「初めての取引き」で不便に感じたことを5つのデメリットとして記事にしました。
「ネオモバ」の5つのデメリットとは
- S株は「成行注文」や「指値注文」ができない
- クレジットカードの登録が必要
- 毎月サービス利用料がかかる
- NISAに対応していない
- 外国株の取扱いがない
これから「ネオモバ」に口座開設を検討している方の参考になれば幸いです。
次のリンクは主要なスマホ証券5社の特徴を比較しましたのでご参考にしてください!
スマホ証券とはスマートフォンで株の取引を完結することができる証券会社のことです。 スマホ証券はインターネット環境があれば…
それでは、ネオモバの5つのデメリットを順番に解説していきます。
デメリット1.「S株は「成行注文」や「指値注文」ができない」
通常の株取引きは、株の値動きを観察しながら「成行注文」や「指値注文」で売買します。
しかし、ネオモバのS株(単元未満株)の取引は、「成行注文」や「指値注文」ができません。
「成行注文」と「指値注文」
成行注文とは、株を売買するときに、値段を指定しないで注文すること。
指値注文とは、値段を指定せずに注文することをいいます。
「成行買い注文」は、一番安い売り注文と売買が成立します。
「成行売り注文」は、一番高い買い注文と売買が成立します。
ネオモバは、売買注文を24時間受付ていますが実際に注文が実行されるのは「前場初値」、「後場初値」、「後場終値」の3回でその時の株価で売買が成立します。
買い注文を出すときは、その日のストップ高に相当する資金が必要になります。
取引口座には多めに入金をしておきましょう。
もちろん、入金した金額と実際に買った金額の差額は取引が成立すればフリーになります。
S株(単元未満株)
証券取引所では取扱いができなない最低売買単位(1単元:100株)に満たない株式のことです。ネオモバではS株と呼び、証券会社によって名称が異なります。
ネオモバの注文時間と約定
◎「0:00~7:00に注文した場合」は当日前場始値で買付または売却
◎「7:00~10:30に注文した場合」は当日後場始値で買付または売却
◎「10:30~13:30に注文した場合」は当日後場終値で買付または売却
※当日のお取引の状況によっては約定しない場合がある。
◎「13:30~24:00に注文した場合」翌営業日前場始値で買付または売却
ここのまとめ
ネオモバのS株は、成行注文や指値注文ができません。LINE証券など他のスマホ証券でも同様です。株式市場での取引単位は通常100株で1株単位の取引はできません。1株単位の取引はスマホ証券各社が個人投資家を増やすためのサービスとして行っています。スマホ証券会社が保有する100株単位の株を個人投資家に1株単位で切り売りや買い戻しをしています。
デメリット2.「口座開設にはクレジットカードの登録が必要」
ネオモバに証券口座を開設するには本人名義のクレジットカードの登録が必要になります。
クレジットカードは毎月のサービス利用料の決済に使われます。
ネオモバで株取引を始めるにはクレジットカードの登録が必須なので持っていない方は新たに作る必要があります。
クレジットカードはサービス利用料の決済のみに使用され株の購入はできません。
株取引にはTポイント又はネオモバの口座に現金の入金が必要です。
サービス利用料については次の項で解説していますが、「一時停止」の申請すれば引き落としをストップすることが可能です。
ここのまとめ
クレジットカードは、毎月のサービス利用料を決済するために使用します。ネオモバの登録者と同一名義のクレジットカードが必要です。ネオモバの登録にはクレジットカードが必須で、クレジットカードでは株の購入はできません。
デメリット3.「毎月サービス利用料がかかる」
ネオモバでは、売買手数料の代わりに月間の取引規模に応じてサービス利用料の支払い義務があります。
サービス利用料の内容は、国内株式等の取引や証券投資情報の提供などです。
株取引をしない月もサービス利用料が発生します。
例えば、下の一覧表で月間の株式取引約定金合計額が50万円以下であれば、サービス利用料は220円です。
このサービス利用料は、ネオモバの口座開設時に登録したクレジットカードから毎月初旬に決済されます。
株取引をしない場合、サービス利用料は月単位で「一時停止」することが可能です。
一時停止の申請方法を解説します。
前月中に一時停止の設定をしておけば解除するまでサービス利用料の支払いは発生しません。(※手続きの締め時間は月内最終営業日15:00まで、この時間を過ぎての手続きは翌々月分の手続きとなります)
一時停止の設定方法
サービス利用料は、月間の株式取引約定代金合計額をもとに計算されます。
「月間の株式取引約定代金合計額」が料金体系の範囲内であれば、一定の「サービス利用料」で何度でも取引が可能です。
ここのまとめ
毎月のサービス利用料の支払いが発生します。
月間の株式取引約定金合計額が50万円以下であれば、サービス利用料は220円(税込)です。
一方でネオモバから毎月200Tポイントプレゼントしてもらえるので、サービス利用料は実質20円の負担となります。
もし、取引をしない月が事前に分かっていれば、前月末までに「一時停止」の申請をすればサービス利用料は発生しません。
「一時停止中の注意事項」
※手続きの締め時間は月内最終営業日15:00まで、この時間を過ぎての手続きは翌々月分の手続きとなります。
※定期買付の設定をした状態で「一時停止」に変更すると定期買付の設定は解除されます。
※「一時停止」状態で定期買付の設定を行うと一時停止は解除されます。
※「一時停止」、または翌月の利用状況が「一時停止(予定)」となっている場合、ひとかぶIPOの申込みはできません。
デメリット4.「NISAに対応していない(※iDeCoには対応)」
ネオモバは、「iDeCo」には対応していますが、「NISA」には対応していません。
「iDeCo」も「NISA」は、取扱い事務が煩雑なため少額取引が主体のスマホ証券は導入に消極的です。
「NISA」と「iDeCo」について少し解説いたします。
「NISA」とは、投資に関する税の優遇制度のことで、正式には「少額投資非課税制度」といいます。
通常、投資で得た収益(配当金・分配金や譲渡による利益)には20.315%の税金がかかります。
しかし、「NISA」を使えば、毎年120万円の非課税投資枠が最長で5年間与えられ、その範囲内で株式投資を行えば譲渡益や配当金が非課税扱いになります。
残念ながらネオモバは現在のところ「NISA」には対応していません。
「iDeCo」とは「個人型確定拠出年金」のことで老後資金をつくるための年金制度のことです。
ネオモバは、SBI証券から委託を受けて、2019年12月2日からiDeCoのサービスを提供しています。
「iDeCo」とは、60歳まで定期的に金融商品に積立投資を行い、そこで発生した運用益や利息は非課税、さらに積立金額も全額所得控除扱いになるお得な制度です。
日本の年金制度は、建物に例えると1階部分が「国民年金」で、2階部分が民間企業に勤める会社員や公務員の「厚生年金」です。
この1、2階部分は国が社会保障の一環として運営しており「公的年金」と呼ばれている部分です。
会社員の3階部分は、大手の企業や企業年金連合会で導入されている「企業年金」、公務員の3階部分は民間の企業年金にあたる「退職金等年金給付」です。
iDeCoは会社員や公務員の方の4階部分にあたり、自営業者・フリーランスの方の場合は、ほかの年金の加入数によって2~4階部分のいずれにも該当します。
ここのまとめ
前述の通りネオモバでは、SBI証券経由で「iDeCo」の取扱いはあるものの、「NISA」の取扱いはありません。スマホ証券で「NISA」を利用したい方は大和証券が運営している「CONNECT」がございます。また、スマホ証券ではありませんが、「マネックス証券」や「松井証券」など大手証券会社は「iDeCo」や「NISA」を取扱っています。これらの証券会社でもスマホでの取引が可能です。
デメリット5.「米国株・外国株の取扱いがない」
ネオモバで取引できる金融商品は、上場株式、国内ETF(国内上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、インフラファンドなどに限定されています。
ネオモバでは、米国株をはじめ外国株の取扱がありません。
米国株などの外国株に投資したい方は他のスマホ証券と併用しましょう。
米国株に投資したい方には「paypay証券」がおすすめです。
特に米国株は値動きが大きく、為替リスクもありますので注意が必要です。
ここのまとめ
ネオモバは米国株をはじめ外国株の取扱いがありません。取引を希望する場合他のスマホ証券と併用することをおすすめします。米国株は値動きが大きくリスクが高い傾向があります。また、為替の影響を受けるリスクもあります。円安ドル高になれば収益は上がりますが、逆に円高ドル安に動けばマイナスに働きます。
まとめ
スマホ証券は小口の投資家を想定したサービスなので、従来の証券会社に比較すると不便な点もあります。
しかし、1株からの売買や定期買付、売買手数料の無料化など画期的なサービスを用意しています。
現在のところ、金融商品の種類や投資先の企業情報など大手の証券会社並みに全てを兼ね備えたスマホ証券は存在しません。
特に「NISA」や「iDeCo」は取扱い事務が煩雑であり、採算が取れないことから投資規模の小さいスマホ証券は導入に消極的です。
スマホ証券ごとに独自のサービスを提供していますので、投資スタイルによって使い分ければ大きなメリットを享受できます。
複数のスマホ証券を併用することで投資の自由度が広がります。
スマホ証券はそれぞれデメリットもありますが、多くのメリットもあります。
ネオモバの良いところは、「ひとかぶIPO」や「積立投資」で他のスマホ証券にはない独自のサービスです。
「ひとかぶIPO」は、1株から新規公開株の申込みができます。
「積立投資」は、毎月自分で決めた日(5日設定可能)に1株単位で買い続けることができます。